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【第12話】20室の不動産投資家になるまでの道のり:YouTubeとバイトで叩き込んだ「DIY・原状回復」の技術

執筆者の写真: 山口 史
山口 史
7 日前
読了時間: 5分

20室の不動産投資家になるまでの道のり「第12話」をお伝えします。

クッションフロアを貼る東京大家の会代表のDIY

前回は、物件数が増えていく中で、1つの金融機関だけに頼ることの限界に直面し、新たな金融機関を地道に開拓していった話をしました。今回は、物件数が増える中でもう一つ向き合うことになった、管理面での課題についてお話しします。テーマは、原状回復とリフォームのコストです。


なぜ、業者任せにしなかったのか

物件が増えていくと、退去のたびに発生する原状回復費用は、決して小さな金額ではありません。クロスの張り替え、クリーニング、ちょっとした補修。すべて業者に頼めば、その分だけ利回りは目減りしていきます。


「この費用を、自分の手でどこまで圧縮できるか。」


そう考えたときに浮かんだのが、まず自分自身が現場の作業を理解する、ということでした。知識も相場感もないまま業者に見積もりを出されても、それが適正なのか高いのか判断できません。逆に、自分の手を動かした経験があれば、どの作業にどれくらいの時間と材料費がかかるのか、肌感覚で分かるようになります。


YouTubeを、教科書代わりに

最初に頼ったのは、YouTubeでした

• クロスの張り替え方

• フローリングの補修方法

• 水回り(パッキン交換、排水口の詰まり対応など)の基本

• クリーニングの手順とコツ


プロの職人さんや、同じように自主管理をしている大家さんが上げている動画を、片っ端から見て回りました。一度見ただけでは分からないことも多く、同じ動画を何度も再生しては、実際の道具や材料を用意して自分の手で真似してみる。この繰り返しでした。


動画で見るのと、実際にやってみるのとでは、当然ながら勝手が全く違います。クロスひとつとっても、糊の量、貼り付けるときの空気の抜き方、継ぎ目の処理など、失敗しながら少しずつコツを掴んでいきました。


現場の感覚を掴むために、あえてバイトへ2年半

YouTubeでの独学にはどうしても限界がありました。動画では分からない、現場ならではの「感覚」があったからです。


そこで、原状回復やリフォームに関わる仕事を、実際にバイトとして経験することにしました。この修行期間は、なんと2年半にも及びました。

最初は、清掃業務からのスタートでした。


• 窓やベランダの掃除

• キッチンまわりの清掃

• トイレの清掃

• エアコンを分解しての内部清掃


こうした室内清掃の基本を、まずは徹底的に叩き込まれました。地味な作業に見えますが、この基礎があったからこそ、後の作業スピードや仕上がりの質が大きく変わっていきます。


室内清掃を一通り修行した後、いよいよ施工系の作業に進みました。


• 壁紙の張り替え

• クッションフロアの張り替え

• ダイノックシートの施工

• 水栓の交換

• ペンキ塗り

• その他、細かな補修作業全般


一つひとつを現場で実践しながら、プロの職人がどのくらいのスピードで作業をこなすのか、材料をどう仕入れ、どうコストを抑えているのか、そして「ここまでは自分でやって良い作業」と「プロに任せるべき作業」の境界線を、身をもって学んでいきました。


2年半の修行が生んだ、具体的な数字

この2年半の修行が、後にどれほどの威力を発揮したか。分かりやすい例をひとつご紹介します。

ある物件で、賃貸管理会社からリフォーム・清掃の見積もりとして提示された金額は、125万円でした。


同じ内容の作業を、自分たちの手で行った結果、かかった費用は30万円ほどに抑えることができました。


同じ工事内容で、これだけの差が生まれる。それだけ、業者に丸投げする場合の費用には、職人の技術料だけでなく、会社としての利益や中間マージンが大きく乗っているということでもあります。


もちろん、これは2年半という決して短くない修行期間があったからこそ実現できた数字です。それでも、この経験は「原状回復にかかるコストは、知識と技術次第で大きく変えられる」ということを、何よりも雄弁に物語っていました。


自分の手を動かしたからこそ、見えてきたこと

こうして身につけた技術は、単に費用を抑えるだけでなく、物件を見る目そのものを変えてくれました。


物件を購入する際にも、「この壁紙は自分で貼り替えられそうか」「この設備交換にはどれくらいのコストがかかるか」を、その場で具体的にイメージできるようになったのです。これは、リフォーム費用を含めた実質的な利回りを判断する上で、大きな武器になりました。


また、すべてを自分でやるわけではなく、時間のかかる作業や専門性の高い作業(電気工事や水道工事など、資格が必要な部分)は、きちんとプロに任せる。この線引きができるようになったことも、遠回りに見えて実は効率化につながっていました。


この経験で学んだこと

• 業者への依頼費用を判断するには、まず自分自身が相場感と作業感覚を持つことが重要

• YouTubeは独学の第一歩として有効だが、動画だけでは掴めない「現場の感覚」がある

• 2年半という泥臭い修行が、結果的に一番の近道になった

• 「自分でやる部分」と「プロに任せる部分」の線引きができると、コストと時間の両方を最適化できる


この泥臭い実践の積み重ねが、賃貸管理会社の見積もりでは125万円かかるはずのリフォーム・清掃を30万円まで抑えることにつながり、高い利回りを維持しながら、その後の物件数拡大を支える土台になっていきました。


次回は、こうして自主管理を続ける中で、物件数がさらに増えたことで直面することになった、新たな課題についてお話しします。


東京大家の会 山口 史

 
 
 

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